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歩きの瞑想のやり方

  • 執筆者の写真: Takanobu Shimanuki
    Takanobu Shimanuki
  • 2023年5月28日
  • 読了時間: 6分

更新日:2023年9月19日

おすすめ!歩きの瞑想のやり方


瞑想とは意識を集中させる行為そのもののため、瞑想方法は様々です。


お経やマントラを唱えながら行うものや、スピリチュアルな対象に意識を向ける瞑想もあります。太極拳なども歩きの瞑想と似たような意識で、動作に集中するため、一種の瞑想と言ってもいいでしょう。


様々な瞑想法がある中で、おすすめなのが、呼吸に意識を向ける瞑想法と、歩行瞑想と呼ばれる歩きながらの瞑想です



歩きの瞑想のやり方。マインドフルネス瞑想
歩きの瞑想


初心者にお勧めの歩きの瞑想

 

座って行う瞑想も、歩きの瞑想も、上座仏教の中でよく行われる瞑想法で、タイやミャンマーなどでお寺に併設している瞑想センターに行くと、座って瞑想している人と、歩きながら瞑想している人が半分くらいの割合でいます。


歩きの瞑想は日本でも歩行禅と呼ばれる瞑想法はあるものの、あまりポピュラーではありません。


個人的な感覚では、気持ちが落ち着かなかったり、なんとなく集中できないときは歩行瞑想をすることによって意識を容易に集中させることができます。



歩きの瞑想の瞑想方法。マインドフルネス瞑想。
歩きの瞑想


歩きの瞑想のメリットとデメリット



歩行瞑想のメリット


  • なんとなく集中できないときでも動作に意識を向けるため集中しやすい

  • 気持ちがザワザワしているとき、落ち着かないときでも集中しやすい

  • 瞑想になれていなくても集中しやすい

  • 座って足が疲れた時、歩きの瞑想をすることで足がほぐれる

  • 歩くことで心身がリラックスしやすい

  • 歩く行為が有酸素運動になる

  • 動作に意識を向ける瞑想法に慣れることで、日常にも応用できる

  • 眠くならない



歩く瞑想のやり方
座ってする瞑想とは異なるメリットがたくさん

座って行う瞑想と歩く瞑想を使い分ける


座って行う瞑想では、じっと動かず、意識を内面に集中させます。呼吸に意識を向けるよりも、歩くという動作に意識を向けるほうが分かりやすく、なんとなく集中力が散ってしまうときや、瞑想に慣れていない人でも、比較的簡単に集中できます。


瞑想センターや僧侶として僧院に滞在していた時、毎日8~10時間の瞑想をしていました。座って行う瞑想を長時間行うと、足が痺れてきたり、痛みが生じてきます。これすらも雑念のひとつとして認識をし、瞑想をそのまま継続をするのですが、瞑想が終わった後は足がガチガチになっていることもあります。そのため、座って行う瞑想と歩きの瞑想を交互に行うことで、足をほぐしながら一日中瞑想をします。


また、歩く動作はとても遅いものの、足元の感覚にも注意力が注がれているためか、血液の循環がよくなる感覚があります。太極拳などと似たような感覚だと思います。



そして、歩行瞑想を行い、歩く動作に注意力を向ける事に慣れると、歩きではなく、日常的に自分が行っている行為そのものに注意を向けることで応用的な瞑想になります。つまり、常にマインドフルな状態でいることができるような直接的な訓練とも言えるでしょう。




瞑想をする人
ゆっくりとした動作に意識を添える状態は太極拳と似ている




歩行瞑想のデメリット


しかし、歩行瞑想にもデメリットはあります。



歩行瞑想のデメリット


  • 長時間行うと肉体的に疲れる

  • 注意力の分散

  • 場所の確保

  • 身体的な制約

  • 習慣化の難しさ


歩きの瞑想は歩きの動作がある分、長時間行うと肉体的に疲労するときがあります。一歩、座って行う瞑想では座っているだけなので、集中ができていれば何時間でも座っていられます。


そして、メリットでは集中しやすいと説明しましたが、注意力の分散もデメリットのひとつです。歩いているときに目を開けていて、動きがあるため、外的な要因で注意力が分散するということです。例えば、周囲の景色や音、他の人の存在などが気になったり、歩いている時にそばに落ちている物に注意を惹かれたり。


逆に座って行う瞑想では、目を閉じ、自分の内面に注意力と意識を100%向けているため、頭の中に湧いてくる雑念や感情、記憶などの内的な要因で集中力が分散しがちです。


歩きの瞑想の注意点
歩きの瞑想では注意力が分散してしまう可能性も。



歩きの瞑想では2~3メートルくらいの直線を行ったり来たりします。そのため、部屋にその直線スペースがなかったり、床に物が落ちていたりすると場所の確保が難しい場合があります。このように、どこでもできるわけではないので、習慣として続けることが難しいこともあります。


おすすめは、30分の瞑想を行うとしたら、最初の10分を歩きの瞑想、残りの20分を座りの瞑想のように行うとバランスよく集中して瞑想ができると思います。




歩きの瞑想。瞑想方法。おすすめの瞑想法
歩きの瞑想



歩きの瞑想 実践


①2メートルから3メートルくらいの直線の前に立ってください。直線上に物が落ちていたりする場合は綺麗にしてください。


②両手をおへその下に重ねて置き、深い呼吸を数回し、自然な呼吸に戻します。


③ゆっくり利き足を上げ、同時に「上げている、上げている、上げている」と意識。


④上げた足をゆっくりと前に出します。この動作と同時に、「前に移動している、前に移動している、前に移動している」と認識しながらラベリング


⑤ゆっくりと足を下ろしながら、「下ろしている、下ろしている、下ろしている」と認識します。


⑥両足が地面に着いたら、ゆっくりと前足に体重を移動させ、「前に移動している、前に移動している、前に移動している」と意識します。


⑦後ろ足も同じように上げていき、「上げている、上げている、上げている」とラベリングをしてください。


⑧上げた足を同じように前に移動し、下ろし、ゆっくりと体重を前に移動し、後ろ足を上げます。このゆっくりした歩きの動作でUターンするところまで来たら、両足を揃えて静止します。


⑨静止している状態で、「止まってる、止まってる、止まってる」と意識して、ラベリングをします。


⑩ゆっくりとUターンをし、「Uターンをしている、Uターンをしている、Uターンをしている」と認識します。


⑪Uターンをしたら、再び少し静止します。「止まってる、止まってる、止まってる」と認識してください。


⑫反対側まで同じように歩き、Uターンをして、歩きを繰り返します。


⑬終わる時はUターンをし、静止し、「止まってる、止まってる、止まってる」と認識した後、「終わる、終わる、終わる」と意識的に認識し、終了します。




歩きの瞑想を行う際の注意点



歩行瞑想では上の瞑想方法でもあるように、歩く動作を分解して観察していきます。早く動くと「やってる感」だけ感じてしまい、認識が追いつかない場合があります。歩きの瞑想で大切なのは、動きをすごくゆっくり行うことです。ひとつの動作に3~5秒ほどかけるイメージです。


そして、雑念が湧いてきたり、視界に映ったものに気をとられたりしても気にせず、すぐに足の動作に注意力を向けるようにしましょう。


また、タイのある高僧は電気を消して暗い部屋の中で行うとより集中できると言っていました。安全に気をつけて試してみてください。




まとめ



マインドフルネスも含め、瞑想法はたくさんあります。しかし、大切なのはどの瞑想法を行っているかではなく、内面に意識が向いているか、注意力が意識に注がれているかです。


慣れてくると日常的にそのような意識になり、常に「瞑想」状態でいることになります。



歩きの瞑想、ぜひ試してみてください。




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